残業代請求の理論と実践

弁護士渡辺輝人のブログ。残業代(労働時間規制)にまつわる法律理論のメモ、裁判例のメモ、収集した情報のメモ等に使います。

判例

判例:札幌高判平成24年2月16日(労判1123号121頁 三和交通事件)

札幌高判平成24年2月16日(労判1123号121頁 三和交通事件)は、歩合給と割増賃金の関係について述べたもの。地裁判決(札幌地判平成23年7月25日)の下記判示を引用している。 そもそも、労働基準法37条が、時間外、休日及び深夜の割増賃金…

資料:東京地判平成26年4月4日

東京地判平成26年4月4日(DIPS(旧アクティリンク)事件)。固定残業代に関する裁判例だが、下記の除外賃金に関する指摘も興味深い。異種の除外賃金同士が渾然一体として区分不可能である場合は、除外賃金にならない。 (ウ) 被告は,原告に支給し…

資料:東京地判平成27年9月8日

東京地判平成27年9月8日(出典はウェストロージャパン) 事件番号 平24(ワ)33296号 事件名 賃金請求事件 文献番号 2015WLJPCA09088023 時効の中断についての裁判例。固定残業代や、除外賃金の論点で有名な小里機材事件は、労働組合の副委員長が…

菅野和夫教授による「また、」の挿入

固定残業代(非典型的な割増賃金の支払方法)の論点でリーディングケースとされる高知県観光事件の最高裁判決(平成6年6月13日)。原文は裁判所ホームページで読める。 裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面 最高裁のホームページでは、該当箇所は以下…

メモ:関西ソニー販売事件大阪高裁判決

菅野和夫教授『労働法』などで、裁判例が固定残業代を認めた代表例とされる関西ソニー販売事件だが、実は、各種の書物で引用されない大阪高裁判決(大阪高判平成元年9月29日)がある。私が発見したものである。元々、『労働判例』に掲載された判決文で別…

資料:東京地判平成27年2月27日(超過分清算実態の無い固定残業代の合意を無効とした事例)

ウェストロージャパンで、『労働判例』に掲載されていない(気がする)固定残業代の裁判例を発見したので、メモ。下線は私が付したもの。特徴は、45時間分の固定残業代の合意の存在を認めながら、超過分清算実態の無い固定残業代の合意を無効とした点と、…

渡辺輝人「裁判事例から見る固定残業代の許容性」労旬1824号

労働法律旬報に書いた拙文。現在、無料で公開中。固定残業代に関する裁判例を網羅している、という意味では、2016年5月現在でも、業界トップの水準だと思っている。ダウンロードパスはワタミの初任給=「wataminoshoninkyuu」。 渡辺輝人「裁判事例から…