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残業代請求の理論と実践

弁護士渡辺輝人のブログ。残業代(労働時間規制)にまつわる法律理論のメモ、裁判例のメモ、収集した情報のメモ等に使います。

資料:東京地判平成26年4月4日

区分要件 判例 資料

 東京地判平成26年4月4日(DIPS(旧アクティリンク)事件)。固定残業代に関する裁判例だが、下記の除外賃金に関する指摘も興味深い。異種の除外賃金同士が渾然一体として区分不可能である場合は、除外賃金にならない。

  (ウ) 被告は,原告に支給していた賃金のうち,住宅手当は,労働基準法施行規則21条3号により基礎となる賃金から除外される旨を主張する。

 しかし,本件賃金規程によれば,住宅手当は,1万円ないし5万円の範囲で支給されるものと定められているものの,これが従業員の住宅に要する費用に応じて 支払われていると認めるに足りる証拠はない(なお,被告が主張するように,この手当が扶養家族がいるかどうか,賃貸か持ち家かなどを考慮して支給されてい るのであれば,住宅に要する費用に応じて算定される手当ではないということになる。また,被告の主張を,住宅手当が,労働基準法37条5項に規定する家族手当と労働基準法施行規則21条3号に規定する住宅手当の混合的性質を有する手当である旨の主張と善解したとしても,具体的に,扶養家族の有無及び人数,賃貸か持ち家か等の要素が支給額の決定においてどのように考慮されているのかは証拠関係上全く不明であって,やはり被告の主張は理由がない。)。

 よって,住宅手当は,労働基準法施行規則21条3号の住宅手当には当たらないというべきである。

 (エ) そうすると,基礎となる賃金の額は,別紙割増賃金等集計表「基礎となる賃金」「合計」欄記載のとおりとなる。